2008年03月29日

NPO法人「手火山」理事長 川口博康氏

NPO法人「手火山」理事長 川口博康氏
かつお節製法伝え全国表彰
御前崎の誇り訴えたい
NPO法人「手火山」理事長 川口博康氏 昔ながらのかつお節製法「手火山(てびやま)式」の保存活動に取り組む。平成十九年十一月にNPO法人「手火山」を設立して市民を巻き込んだ活動をスタート。三月には農林水産省など主催の全国大会で都市農山漁村交流活性化機構(通称・まちむら交流機構)の理事長賞を県内で唯一受賞した。
 ー手火山式と現代製法との違いは。
 「最大の特徴は直(じか)火でいぶすこと。現代的な大量製造方式は温めた空気を循環させる対流式を採っていてかつお節に直火が当たらない。手火山式は直火の放射熱が当たるので遠赤外線効果がある。ただ、火加減などに職人技がいるし、手間もかかる。
高度経済成長で昭和三十五年ごろからほとんどが大量製造方式に変わってしまい、手火山式は日本では数少なくなった。市内でも二軒しか残っていない。失ってしまったものを取り戻したいとの思いがある」
 ー手火山式を見直すきっかけは。
 「にぎやかだった御前崎の漁業がすっかり寂しくなってしまった。市内に往時の漁業を伝える資料館が整備されているわけでもないし、このままでは漁業のまちとしての誇りが失われてしまう気がした。たとえ大企業が進出して雇用が生まれても、まち本来の活性化にはつながっていかないと思う。手火山式を見直すことで、漁業のまちとしての御前崎の誇りを市内外に訴えていきたい」
 ーNPO法人化や市産業祭への出展、全国表彰などで手火山の知名度が少しずつ高まっています。
 「全国表彰されたことでかつお節業界から激励を頂いたのがうれしい。大手調味料メーカーからも研究者が視察に来て工程などをチェックしていかれた。手火山式の再評価に手応えを感じている。NPO法人も目標を上回る五十の個人・法人が会員になってくれた。会員の中には手火山式の新工場を開いてくれる動きもある。昔ながらの製法はかつお節本来の風味を引き出してくれるし、健康にもいいと考える人々は多い。来年は会員数をさらに倍増させたい」
 ー今後もさまざまな展開を考えていますね。
 「手火山式を体験できる滞在型観光イベントを実現したい。都会の人々を御前崎に呼び込み、一泊二日くらいで魚に触ってもらい、かつお節づくりに触れてもらう。観光に漁業体験を取り入れ、水産庁など国も推進している『ブルーツーリズム』にもつながる。手火山式は御前崎観光の起爆剤になりうる。かつお節を見直すことは子供の食育にも役立つ。昔はかつお節をかくのは家族の中でも子供の仕事だった。そんな時代をもう一度見直したい。大それたことは言えないが、少しずつ発信していきたい」(聞き手=社会部・鈴木誠之)
(静新平成20年3月29日「本音インタビュー」)


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Posted by パイプ親父 at 10:55│Comments(1)人物
この記事へのコメント
川口博康 理事長殿
マナードのミナハサ高原のTORAGETに温泉
リゾートを建設準備中の北藤でございます。
7月18日にマナードに帰還したおり 私の
従業員の一人からのまた聞きですが 川口様
と言われる日本人の方が温泉をみに来られたと耳にしました。 平野氏に連絡して見ましたが
かれの知る限りでは他に川口という名前は知らないとの事で 何かの間違いとは思いましたが
万が一と思い連絡させて頂きました。
なにはともあれ、ご無沙汰致しております。
次回 マナードを訪れられた際は是非私共の
温泉にも来てみて下さい。面白い所です。
それでは 失礼致します。
Posted by 北藤 勇 at 2010年08月01日 13:02
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NPO法人「手火山」理事長 川口博康氏
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