2011年10月27日
大村篤行(おおむらしげゆき)さん(沼津市)
農業青年クラブ「静岡ACT」の会長
大村篤行(おおむらしげゆき)さん(沼津市)

静岡ACTは、県東部農林事務所管内の若手農業者有志の組織。県農業青年クラブの理事も務め、これからの農業の在り方や栽培だけでなく販売方法までを若手の視点で模索する。25歳。
ー主な活動内容は。
「20代前半から30代前半までの13人が、耕作放棄地を利用したソバの栽培と加工、販売までを実践している。商品開発や付加価値の付け方、今後の課題などを調査してきた」
ー活動を通して感じることは。
「同世代のメンバーの話題は、今後の農業の不安より、農作物ごとに異なる情報の交換や、これから挑戦したいことなど、前向きな話が多くて励みになる。女性も積極的に活動し、農業に性別は関係ないこともあらためて実感する」
ー今まで一番うれしかったことは。
「初めてのソバ栽培で、畑一面にソバの白い花が広がる光景を見た時、仲間と共に感動できた。育てる喜びを忘れないことが最も大切だ」
◇
趣味はパソコン。インターネットを利用した効果的な販売やPRの研究も怠らない。
(静新平成23年10月27日「この人」)
大村篤行(おおむらしげゆき)さん(沼津市)

静岡ACTは、県東部農林事務所管内の若手農業者有志の組織。県農業青年クラブの理事も務め、これからの農業の在り方や栽培だけでなく販売方法までを若手の視点で模索する。25歳。
ー主な活動内容は。
「20代前半から30代前半までの13人が、耕作放棄地を利用したソバの栽培と加工、販売までを実践している。商品開発や付加価値の付け方、今後の課題などを調査してきた」
ー活動を通して感じることは。
「同世代のメンバーの話題は、今後の農業の不安より、農作物ごとに異なる情報の交換や、これから挑戦したいことなど、前向きな話が多くて励みになる。女性も積極的に活動し、農業に性別は関係ないこともあらためて実感する」
ー今まで一番うれしかったことは。
「初めてのソバ栽培で、畑一面にソバの白い花が広がる光景を見た時、仲間と共に感動できた。育てる喜びを忘れないことが最も大切だ」
◇
趣味はパソコン。インターネットを利用した効果的な販売やPRの研究も怠らない。
(静新平成23年10月27日「この人」)
2011年10月26日
作家の北杜夫さん死去
作家の北杜夫さん死去 「どくとるマンボウ」シリーズ
芥川賞・直木賞

北杜夫さん=2010年10月、鈴木好之撮影
とぼけたユーモアに文明批評を織り込んだエッセー「どくとるマンボウ」シリーズで人気を博し、「楡(にれ)家の人びと」などの小説で知られる作家の北杜夫(きた・もりお、本名斎藤宗吉〈さいとう・そうきち〉)さんが、24日午前6時2分、東京都内の病院で死去した。84歳だった。葬儀は家族のみで行う。
27年、歌人斎藤茂吉の次男として東京に生まれた。母は、日本人女性で初めて南極を探検した斎藤輝子。精神科医でエッセイストの故・斎藤茂太さんは兄。娘の由香さんはエッセイスト。東北大医学部卒。慶応大病院助手を経て精神科医を務める一方、大学時代から同人誌「文芸首都」を拠点に小説を発表した。
60年、水産庁調査船の船医として南洋から欧州をめぐった体験に基づく「どくとるマンボウ航海記」がベストセラーになる。同年、ナチの精神障害者虐殺にささやかな反抗を試みる医師の姿を描いた「夜と霧の隅で」で芥川賞を受賞した。
芥川賞・直木賞

北杜夫さん=2010年10月、鈴木好之撮影
とぼけたユーモアに文明批評を織り込んだエッセー「どくとるマンボウ」シリーズで人気を博し、「楡(にれ)家の人びと」などの小説で知られる作家の北杜夫(きた・もりお、本名斎藤宗吉〈さいとう・そうきち〉)さんが、24日午前6時2分、東京都内の病院で死去した。84歳だった。葬儀は家族のみで行う。
27年、歌人斎藤茂吉の次男として東京に生まれた。母は、日本人女性で初めて南極を探検した斎藤輝子。精神科医でエッセイストの故・斎藤茂太さんは兄。娘の由香さんはエッセイスト。東北大医学部卒。慶応大病院助手を経て精神科医を務める一方、大学時代から同人誌「文芸首都」を拠点に小説を発表した。
60年、水産庁調査船の船医として南洋から欧州をめぐった体験に基づく「どくとるマンボウ航海記」がベストセラーになる。同年、ナチの精神障害者虐殺にささやかな反抗を試みる医師の姿を描いた「夜と霧の隅で」で芥川賞を受賞した。
2011年10月20日
大山邦雄(おおやまくにお)氏(63)
沼津市立病院長
大山邦雄(おおやまくにお)氏(63)
機能分担の周知不可欠

ー医師確保に向けた取り組みは。
「病院にとっての医師確保策は四つある。公募するか、民間医局あるいは関連大学の医局に医師派遣を依頼するか、地元に新たな医局が設置されるかだ。当院は関連大学の医局からの派遣が中心。大学側にも医師が少ないのが実情だが、地道に通い、確保に努力している。医師数は今春、80人を超えた」
ー県東部で2カ所の第3次救急指定病院として役割をどう考えますか。
「当院のように3次救急を100人以下の医師で担う病院は珍しい。いつ来るか分からない急患に備える人的体制や、命を救う高度技術のあり方を考えると、やはり医師不足の打開は急務だ。指定病院は県東部に2カ所で東京都のように多くはない。皆、最後の砦(とりで)の使命感を持って最良の医療提供を目指している。命に関わる重篤患者は市立病院、慢性期は地域の診療所へ、と機能をすみ分ける概念は欠かせない」
ー機能分担の意義は利用者に浸透しましたか。
「まだ途上であり、周知は必要。軽症の来院者を地域の診療所へ紹介する逆紹介を不便と感じる人もいるのでは。病院と診療所が一つのチームになって疾病対応の流れをつくる『地域医療連携パス』の対象拡大など、患者の視点に立ったシステムを整え、病院と診療所の機能分担がなぜ必要か、理解を得ていきたい」
【沼津市立病院】1928年設立した県東部の中核病院。医師の定数は88。救命救急、地域医療支援病院、周産期医療、がん診療連携拠点などの指定病院として県東部の医療を支え、臨床研修病院として若手育成にも取り組む。同市東椎路。
(静新平成23年10月19日「熱き地域人」)
大山邦雄(おおやまくにお)氏(63)
機能分担の周知不可欠

ー医師確保に向けた取り組みは。
「病院にとっての医師確保策は四つある。公募するか、民間医局あるいは関連大学の医局に医師派遣を依頼するか、地元に新たな医局が設置されるかだ。当院は関連大学の医局からの派遣が中心。大学側にも医師が少ないのが実情だが、地道に通い、確保に努力している。医師数は今春、80人を超えた」
ー県東部で2カ所の第3次救急指定病院として役割をどう考えますか。
「当院のように3次救急を100人以下の医師で担う病院は珍しい。いつ来るか分からない急患に備える人的体制や、命を救う高度技術のあり方を考えると、やはり医師不足の打開は急務だ。指定病院は県東部に2カ所で東京都のように多くはない。皆、最後の砦(とりで)の使命感を持って最良の医療提供を目指している。命に関わる重篤患者は市立病院、慢性期は地域の診療所へ、と機能をすみ分ける概念は欠かせない」
ー機能分担の意義は利用者に浸透しましたか。
「まだ途上であり、周知は必要。軽症の来院者を地域の診療所へ紹介する逆紹介を不便と感じる人もいるのでは。病院と診療所が一つのチームになって疾病対応の流れをつくる『地域医療連携パス』の対象拡大など、患者の視点に立ったシステムを整え、病院と診療所の機能分担がなぜ必要か、理解を得ていきたい」
【沼津市立病院】1928年設立した県東部の中核病院。医師の定数は88。救命救急、地域医療支援病院、周産期医療、がん診療連携拠点などの指定病院として県東部の医療を支え、臨床研修病院として若手育成にも取り組む。同市東椎路。
(静新平成23年10月19日「熱き地域人」)
2011年10月14日
杉浦誠(すぎうらまこと)さん(沼津市)
大臣表彰を受けた熱海所記念病院の院長
杉浦誠(すぎうらまこと)さん(沼津市)

地域の救急医療への長年の貢献で厚生労働大臣表彰を受けた熱海所記念病院の院長。専門は脳神経外科。1998年から現職。富士市出身。62歳。
ー受賞の感想は。
「88年から救急医療に参入し、年間1600件の救急車を受け入れている。医師は13人しかいないが、当直医が専門外の患者も診察するスタンスを貫き、治療を断らずに済んでいる。職員も医者の無理を聞き、積極的に働いてくれている。これだけ努力してきたので、表彰されてうれしい」
―救急医療の課題は。
「(熱海市消防本部の)救急隊との連携強化。うちはスタッフが少ないので一緒に治療をカバーし合う関係が大切。救急隊の(救命活動の)レベルアップも必要だ」
ー受賞を機に、どんな病院を目指したいか。
「うちは『地域と共に歩む開かれた病院』『いつでもかかれる心安らぐ病院』などの理念を掲げている。眼科がないことや夜間の小児科医が不足するなどの課題もあるので、病院機能を向上しながら理念を実践したい」
◇
オペラを歌う。病院でコンサートを開くことも。
(静新平成23年10月14日「この人」)
杉浦誠(すぎうらまこと)さん(沼津市)

地域の救急医療への長年の貢献で厚生労働大臣表彰を受けた熱海所記念病院の院長。専門は脳神経外科。1998年から現職。富士市出身。62歳。
ー受賞の感想は。
「88年から救急医療に参入し、年間1600件の救急車を受け入れている。医師は13人しかいないが、当直医が専門外の患者も診察するスタンスを貫き、治療を断らずに済んでいる。職員も医者の無理を聞き、積極的に働いてくれている。これだけ努力してきたので、表彰されてうれしい」
―救急医療の課題は。
「(熱海市消防本部の)救急隊との連携強化。うちはスタッフが少ないので一緒に治療をカバーし合う関係が大切。救急隊の(救命活動の)レベルアップも必要だ」
ー受賞を機に、どんな病院を目指したいか。
「うちは『地域と共に歩む開かれた病院』『いつでもかかれる心安らぐ病院』などの理念を掲げている。眼科がないことや夜間の小児科医が不足するなどの課題もあるので、病院機能を向上しながら理念を実践したい」
◇
オペラを歌う。病院でコンサートを開くことも。
(静新平成23年10月14日「この人」)