2024年06月05日
沼津市歌を新たに編曲した 川口三郎(かわぐちさぶろう)さん(沼津市)

沼津市歌を新たに編曲した
川口三郎(かわぐちさぶろう)さん(沼津市)
2023年の沼津市制100周年記念事業の一環として、童謡「めだかの学校」などで知られる中田喜直(1923~2000年)が作曲した沼津市歌を新たに編曲した。新たなメロディーは毎日正午、同報無線のチャイムとして市内で流れている。トランペツト教室を主宰するとともに、清水町の沼津商高吹奏楽部などで音楽監督を務める。52歳。
一編曲の経緯は。
「以前、沼津市歌の演奏用譜面づくりに携わったことがあり、市から『市民が親しみを持てる現代に合った編曲を』と依頼された。吹奏楽や管弦楽、ピアノ伴奏など6パターンを編曲し、新たに音源を録音した。貴重な機会に関わり、名前を残していただけることに感謝している」
ー市歌の原曲の印象は。
「高度経済成長期の1955年、4村との合併を機に作曲されたこともあり、力強くビッグバンドジャズの影響があるような曲調が特徴。行進曲を思わせる曲調ながら、中田さんらしい叙情的なメロディーが含まれている素晴らしい曲と改めて感じた」
ー編曲で意識したことは。
「一般的にはサビの旋律をイントロにする場合が多いが、沼津市歌は弾むようなサビで、その印象が強くなってしまう。そのため、歌い出しのノスタルジックなメロディーを引き立たせた。ピアノ伴奏用の譜面は学校行事などで演奏できるよう、小中学生でも弾けるように工夫した」
一編曲した作品への思いを。
「気分転換によく訪れる千本浜の風景や、沼津のさまざまな場所でこのメロディーが流れたらと想像して作った。子どもたちに愛着を持って心優しく歌ってもらえたらと願っている」 (東部総局・尾藤旭)
【静新令
2024年02月22日
戸田観光協会事務局長' 佐藤寿美さん(さとうとしみ)
戸田観光協会事務局長'
佐藤寿美さん(さとうとしみ) (沼津市)
観光交流客の増加と水産物の消費拡大を狙い、2020年から沼津市南部の戸田漁港でプレジャーボートやヨットの係留を受け入れている。約25年間金融業に従事し、10年前に生まれ育った戸田に戻った。旅館勤務を経て20年から現職。58歳。
ー仕組みは。
「14年の定期船廃止で役割を失っていた浮桟橋を活用し、戸田地区での宿泊か飲食を条件に一時係留を認める。係留料金は徴収せず地域での消費行動を促して波及効果を生み出す。海に関連する資源を生かして地域活性や水産物の消費拡大につなげる水産庁の海業(うみぎょう)のモデル地区に選ばれた」
ーきっかけは。
「旅館勤務時代、ヨットを係留できないことが理由で50人ほどの団体客がキャンセルとなり、なぜできないか疑間を持った。15年開業の『道の駅くるら戸田』の来客者数が減少傾向となり海から人を迎える方法を本格的に考えた。清水港から戸田港までの海域は年間を通じて穏やかで、人を呼び込みやすい」
ー効果は。
「入港隻数、乗員数ともに着実に伸びている。23年度は年間経済効果が初めて1千万円に到達した。新たな店舗や宿泊施設がオープンしている。住民がまちに変化の兆しを感じ、何かに取り組んだり協力したりする機運が想像以上に高まっている」
ー今後の展望は。
「イベント開催日や好天の日は係留が集中して断っているため、桟橋を増設して受け入れられる隻数を増やしたい。戸田は日本初の近代洋式船舶を造船した地。深海魚や海水浴場などコンテンツが豊富にある。波や風を感じ富士山を仰ぎ見る船旅を含め、魅力を組み合わせて付加価値の高い商品を創出したい」 (東部総局・矢嶋宏行)
【静新令和6年2月22日(木)この人】
佐藤寿美さん(さとうとしみ) (沼津市)

観光交流客の増加と水産物の消費拡大を狙い、2020年から沼津市南部の戸田漁港でプレジャーボートやヨットの係留を受け入れている。約25年間金融業に従事し、10年前に生まれ育った戸田に戻った。旅館勤務を経て20年から現職。58歳。
ー仕組みは。
「14年の定期船廃止で役割を失っていた浮桟橋を活用し、戸田地区での宿泊か飲食を条件に一時係留を認める。係留料金は徴収せず地域での消費行動を促して波及効果を生み出す。海に関連する資源を生かして地域活性や水産物の消費拡大につなげる水産庁の海業(うみぎょう)のモデル地区に選ばれた」
ーきっかけは。
「旅館勤務時代、ヨットを係留できないことが理由で50人ほどの団体客がキャンセルとなり、なぜできないか疑間を持った。15年開業の『道の駅くるら戸田』の来客者数が減少傾向となり海から人を迎える方法を本格的に考えた。清水港から戸田港までの海域は年間を通じて穏やかで、人を呼び込みやすい」
ー効果は。
「入港隻数、乗員数ともに着実に伸びている。23年度は年間経済効果が初めて1千万円に到達した。新たな店舗や宿泊施設がオープンしている。住民がまちに変化の兆しを感じ、何かに取り組んだり協力したりする機運が想像以上に高まっている」
ー今後の展望は。
「イベント開催日や好天の日は係留が集中して断っているため、桟橋を増設して受け入れられる隻数を増やしたい。戸田は日本初の近代洋式船舶を造船した地。深海魚や海水浴場などコンテンツが豊富にある。波や風を感じ富士山を仰ぎ見る船旅を含め、魅力を組み合わせて付加価値の高い商品を創出したい」 (東部総局・矢嶋宏行)
【静新令和6年2月22日(木)この人】
2023年09月09日
「昭和すぎる」喫茶店の店主 藤原美恵子(ふじわらみえこ)さん (沼津市)
「昭和すぎる」喫茶店の店主
藤原美恵子(ふじわらみえこ)さん (沼津市)
父親が開業した沼津新仲見世商店街の喫茶店「ケルン」(沼津市大手町)を1人で切り盛りする。半世紀以上趣が変わらない店は過ぎた時代を懐かしむ中高年に加え、古さに新鮮さを感じる若者を引き付ける。85歳。
ーこれまでの歩みは。
「高校を卒業して洋裁学校に1年間通った後、父の手伝いを始めてからずっと働いている。当時は日付が変わる時間まで営業し、3交代勤務だった。1990年に父が他界し、夫と共に店の2階に移り住んだ。5年ほど前から1人で営業している」
ーこだわりは。
「冷凍食品は一切使わず全て手作り。見た目はシンプルで家庭的な味にしている。愛を込めているからおいしい。お客さんから値上げしろと雷われ、数年前に全メニュー50円値上げした。おかず4品のサービスランチは750円、クリームソーダは450円。1日2度来る常連さんや年金暮らしのお客さんを考えるともう値上げできない」
ー評判の受け止めは。 「昭和の人間なのでうれしい。ぼろぼろだから直そうとしたこともあるが、雰囲気を変えないでと言われてそのままにした。10歳若かったら直したかもしれない。今は私もこの雰囲気が好き。コロナ禍前は若者がたくさん来て驚いた。人形を持ったラブライブ!ファンも訪れる」
ー今後は。
「いつまで続けられるか分からないが、これからも形を変えずに営業したい。お客さんはいい人ばかり。会話して元気になり長生きできている。特に常連さんは家族みたいなもの。水やおしぼりを配り、食器を片付け、買い物に付いてきてくれる人もいる。お客さんが好きなことをして、ゆっくりくつろげる店であり続けたい」
(東部総局・矢嶋宏行)
【静新令和5年9月9日(土)この人】

藤原美恵子(ふじわらみえこ)さん (沼津市)
父親が開業した沼津新仲見世商店街の喫茶店「ケルン」(沼津市大手町)を1人で切り盛りする。半世紀以上趣が変わらない店は過ぎた時代を懐かしむ中高年に加え、古さに新鮮さを感じる若者を引き付ける。85歳。
ーこれまでの歩みは。
「高校を卒業して洋裁学校に1年間通った後、父の手伝いを始めてからずっと働いている。当時は日付が変わる時間まで営業し、3交代勤務だった。1990年に父が他界し、夫と共に店の2階に移り住んだ。5年ほど前から1人で営業している」
ーこだわりは。
「冷凍食品は一切使わず全て手作り。見た目はシンプルで家庭的な味にしている。愛を込めているからおいしい。お客さんから値上げしろと雷われ、数年前に全メニュー50円値上げした。おかず4品のサービスランチは750円、クリームソーダは450円。1日2度来る常連さんや年金暮らしのお客さんを考えるともう値上げできない」
ー評判の受け止めは。 「昭和の人間なのでうれしい。ぼろぼろだから直そうとしたこともあるが、雰囲気を変えないでと言われてそのままにした。10歳若かったら直したかもしれない。今は私もこの雰囲気が好き。コロナ禍前は若者がたくさん来て驚いた。人形を持ったラブライブ!ファンも訪れる」
ー今後は。
「いつまで続けられるか分からないが、これからも形を変えずに営業したい。お客さんはいい人ばかり。会話して元気になり長生きできている。特に常連さんは家族みたいなもの。水やおしぼりを配り、食器を片付け、買い物に付いてきてくれる人もいる。お客さんが好きなことをして、ゆっくりくつろげる店であり続けたい」
(東部総局・矢嶋宏行)
【静新令和5年9月9日(土)この人】

2022年05月29日
吉沢勇一郎(よしざわゆういちろう)さん(沼津市)
沼津市副市長に就任した

吉沢勇一郎(よしざわゆういちろう)さん(沼津市)
国土交通省出身で、市の重要課題であるJR沼津駅周辺高架化に伴う中心市街地活性化などを担当する。2001年、同省入省。近畿地方整備局都市整備課長、国土政策局地方振興課企画専門官など、主にまちづくり分野に携わった。4月1日から現職。静岡市葵区出身。43歳。
ー鉄道高架化の前提となる貨物ターミナルが着工した。事業や中心市街地活性化への考えは。
「沼津市の中心市街地は、首都圏からのアクセスも良く、潜在力は高い。一方、鉄道で南北が分断され、駅周辺道路は通過交通が多いのが現状。高架化によって、歩行者を中心に回遊性を高めることで、活性化につなげたい。大規模な事業だが、関係者との調整を進めて一歩一歩前に進めたい」
ー地方自治体への出向経験もある。どう生かすか。
「熊本市への出向時は、都市政策部長としてJR熊本駅高架化後の中心市街地再整備に携わった。沼津と同様、熊本も回遊性の向上が課題で、経験が生かせると感じている。熊本地震後の復興事業も経験し、防災対策などでも力になりたい」
ー沼津市の印象は。
「中学から静岡を離れたので久々に富士山が見える場所で生活でき、うれしい。海、山、川と自然豊かで魅力的な資源が多い、狩野川沿いをジョギングしながら実感している。市民の皆さんも、元気で聡明(そうめい)な方が多いと感じている」
ー抱負を。
「来年の市制100周年に向けた重要な時期。次の100年に向け、市に貢献したい。市民とよくコミュニケーションを取り、専門家集団としての市役所のノウハウを市民のために使っていく組織にしたい」
(東部総局・尾藤旭)
【静新令和4年5月28日(土)この人】

吉沢勇一郎(よしざわゆういちろう)さん(沼津市)
国土交通省出身で、市の重要課題であるJR沼津駅周辺高架化に伴う中心市街地活性化などを担当する。2001年、同省入省。近畿地方整備局都市整備課長、国土政策局地方振興課企画専門官など、主にまちづくり分野に携わった。4月1日から現職。静岡市葵区出身。43歳。
ー鉄道高架化の前提となる貨物ターミナルが着工した。事業や中心市街地活性化への考えは。
「沼津市の中心市街地は、首都圏からのアクセスも良く、潜在力は高い。一方、鉄道で南北が分断され、駅周辺道路は通過交通が多いのが現状。高架化によって、歩行者を中心に回遊性を高めることで、活性化につなげたい。大規模な事業だが、関係者との調整を進めて一歩一歩前に進めたい」
ー地方自治体への出向経験もある。どう生かすか。
「熊本市への出向時は、都市政策部長としてJR熊本駅高架化後の中心市街地再整備に携わった。沼津と同様、熊本も回遊性の向上が課題で、経験が生かせると感じている。熊本地震後の復興事業も経験し、防災対策などでも力になりたい」
ー沼津市の印象は。
「中学から静岡を離れたので久々に富士山が見える場所で生活でき、うれしい。海、山、川と自然豊かで魅力的な資源が多い、狩野川沿いをジョギングしながら実感している。市民の皆さんも、元気で聡明(そうめい)な方が多いと感じている」
ー抱負を。
「来年の市制100周年に向けた重要な時期。次の100年に向け、市に貢献したい。市民とよくコミュニケーションを取り、専門家集団としての市役所のノウハウを市民のために使っていく組織にしたい」
(東部総局・尾藤旭)
【静新令和4年5月28日(土)この人】
2022年01月21日
伊豆石文化探究会の会長を務める 剣持佳季(けんもちよしき)さん
伊豆石文化探究会の会長を務める
剣持佳季(けんもちよしき)さん(長泉町)

伊豆半島などで採れ、江戸」昭和初期に建造された建物に多く使われた伊豆石の研究と広報に取り組む。昨年11、12月には沼津市戸田で研究成果を紹介するパネル展を企画した。静岡市清水区出身。27歳。
ー研究するきっかけは。
「生まれ育った清水区で毎日、伊豆石の蔵を目にしていた。長野県での大学生活で、昔ながらの建物には石が使われていないことに気づいた。文化の違いを感じ、調べ始めた」
ー伊豆石の魅力は。
「研究が進んでおらず分からない部分が多いことにひかれる。石切り場は人工物とは思えないほど巨大なスケールで迫力がある。伊豆石が用いられた宮廷建築は、西洋の技術と調和していて見た目もおしゃれ」
ー探究会の活動内容は。
「会員約30人が聞き取りや文献の調査などを行う。県東部を中心に500棟以上の石造建築の分布を明らかにした。西部と中部では保存活動を支援している」
ー今後は。
「研究成果を発表していきたい。伊豆石は江戸城などに使われ、明治期には西洋風石造り建築の普及を支えた。激動の時代の日本を伊豆石で救おうとした人の思いが伝わっていないのが歯がゆい。価値を広めることで、建物の解体が進む現状を変えたい」
◇
大学時代は西洋音楽史を研究。ビオラもたしなむ。(東部総局・山本萌絵佳)
【静新令和4年1月21日(金)朝刊「この人」】
剣持佳季(けんもちよしき)さん(長泉町)

伊豆半島などで採れ、江戸」昭和初期に建造された建物に多く使われた伊豆石の研究と広報に取り組む。昨年11、12月には沼津市戸田で研究成果を紹介するパネル展を企画した。静岡市清水区出身。27歳。
ー研究するきっかけは。
「生まれ育った清水区で毎日、伊豆石の蔵を目にしていた。長野県での大学生活で、昔ながらの建物には石が使われていないことに気づいた。文化の違いを感じ、調べ始めた」
ー伊豆石の魅力は。
「研究が進んでおらず分からない部分が多いことにひかれる。石切り場は人工物とは思えないほど巨大なスケールで迫力がある。伊豆石が用いられた宮廷建築は、西洋の技術と調和していて見た目もおしゃれ」
ー探究会の活動内容は。
「会員約30人が聞き取りや文献の調査などを行う。県東部を中心に500棟以上の石造建築の分布を明らかにした。西部と中部では保存活動を支援している」
ー今後は。
「研究成果を発表していきたい。伊豆石は江戸城などに使われ、明治期には西洋風石造り建築の普及を支えた。激動の時代の日本を伊豆石で救おうとした人の思いが伝わっていないのが歯がゆい。価値を広めることで、建物の解体が進む現状を変えたい」
◇
大学時代は西洋音楽史を研究。ビオラもたしなむ。(東部総局・山本萌絵佳)
【静新令和4年1月21日(金)朝刊「この人」】
2022年01月21日
ウエブで 「ぬまスポ」を手掛ける 杉浦希未子(すぎうらきみこ)さん
ウエブで 「ぬまスポ」を手掛ける

杉浦希未子(すぎうらきみこ)さん(沼津市)
ウェブで沼津市のスポーツに関する情報を発信するローカルメディア「ぬまスポ」を8月に始めた。陸上や球技、水泳をはじめ幅広い人材発掘に努める。自身も陸上短距離の選手としてインターハイと国体に出場、今は地元の陸上クラブで指導する。子育て支援も担う株式会社「tasuki」代表取締役。42歳。大阪市出身。
ーぬまスポの特徴は。
「世代や競技を問わずに取り上げている。『地元にこんな選手がいるんだ』と多くの人に知ってもらいたい。地元のスポーツイベントも発信している。とにかくスポーツに携わりたくて始めた。読んでくれる人も楽しんでくれれば」
ースポーツを通じて沼津市を盛り上げたいという思いも。
「新聞やテレビで取り上げないローカルな情報を紹介し、スポーツに関心を持ってもらったり、始める人が増えたりすれば」
ースポーツの良さは。
「自分の限界を知ることと、自分を信じる力が身につくこと。どの世界にも通じることと思う」
ーぬまスポを軸とした事業の今後は。
「沼津で育った選手が就職で戻ってきて、選手や指導者として活躍できる環境を少しずつ整えたい。地元企業と連携できれば」
◇
有望株として陸上長距離の地元中学生に熱視線。(東部総局・高橋和之)
【静新令和4年1月20日(木)朝刊「この人」】

杉浦希未子(すぎうらきみこ)さん(沼津市)
ウェブで沼津市のスポーツに関する情報を発信するローカルメディア「ぬまスポ」を8月に始めた。陸上や球技、水泳をはじめ幅広い人材発掘に努める。自身も陸上短距離の選手としてインターハイと国体に出場、今は地元の陸上クラブで指導する。子育て支援も担う株式会社「tasuki」代表取締役。42歳。大阪市出身。
ーぬまスポの特徴は。
「世代や競技を問わずに取り上げている。『地元にこんな選手がいるんだ』と多くの人に知ってもらいたい。地元のスポーツイベントも発信している。とにかくスポーツに携わりたくて始めた。読んでくれる人も楽しんでくれれば」
ースポーツを通じて沼津市を盛り上げたいという思いも。
「新聞やテレビで取り上げないローカルな情報を紹介し、スポーツに関心を持ってもらったり、始める人が増えたりすれば」
ースポーツの良さは。
「自分の限界を知ることと、自分を信じる力が身につくこと。どの世界にも通じることと思う」
ーぬまスポを軸とした事業の今後は。
「沼津で育った選手が就職で戻ってきて、選手や指導者として活躍できる環境を少しずつ整えたい。地元企業と連携できれば」
◇
有望株として陸上長距離の地元中学生に熱視線。(東部総局・高橋和之)
【静新令和4年1月20日(木)朝刊「この人」】
2021年04月16日
井草雅彦(いぐさまさひこ)さん(沼津市)
新仲見世商店街会長として空間再編に取り組む
井草雅彦(いぐさまさひこ)さん(沼津市)

約50年前に建設して老朽化していたアーケードを撤去し、商店街を「人が自然と集まる心地よい空間」に再編しようと尽力する。大手百貨店で販売や広報を経験した後、地元に戻って呉服店を継いだ。50歳。
ー空間再編の経緯は。
「台風のたびに屋根材が落下し、事故が起きては大変だとアーケード撤去を決めた。ただ壊すのではなく、商店街の価値を高める投資と捉えようと会員に呼び掛けた。ワークショップや社会実験などを重ね、次代にあるべき姿を考えた」
ー具体的なイメージは。
「新仲見世商店街には約90㍍のアーケードがあった。単なる商店の集合体ではなく、歩行者専用道路を生かした空間利用を行う。テーブルやベンチを置いたり、イベントを開きやすい環境を整えたりしていく」
ー活動の発信に力を入れているのはなぜか。
「新仲見世のファン作りにつなげ、支援者を増やしたい。SNSやホームページで進捗(しんちょく)を逐一報告していて、同様に困っている他県の商店街から連絡が来たこともある」
ー行政に求めることは。
「実務的な協力だけでなく、まちづくりのグランドデザインを共有し、民間の人々を導くことも重要。今回は市全体から見た新仲見世の位置付けを教えてもらい、公共的な価値がある場所だと再認識できた」
◇
日本酒と焼酎が好き。
(山下奈津美)
【静新令和3年4月16日(金)「この人」】
井草雅彦(いぐさまさひこ)さん(沼津市)

約50年前に建設して老朽化していたアーケードを撤去し、商店街を「人が自然と集まる心地よい空間」に再編しようと尽力する。大手百貨店で販売や広報を経験した後、地元に戻って呉服店を継いだ。50歳。
ー空間再編の経緯は。
「台風のたびに屋根材が落下し、事故が起きては大変だとアーケード撤去を決めた。ただ壊すのではなく、商店街の価値を高める投資と捉えようと会員に呼び掛けた。ワークショップや社会実験などを重ね、次代にあるべき姿を考えた」
ー具体的なイメージは。
「新仲見世商店街には約90㍍のアーケードがあった。単なる商店の集合体ではなく、歩行者専用道路を生かした空間利用を行う。テーブルやベンチを置いたり、イベントを開きやすい環境を整えたりしていく」
ー活動の発信に力を入れているのはなぜか。
「新仲見世のファン作りにつなげ、支援者を増やしたい。SNSやホームページで進捗(しんちょく)を逐一報告していて、同様に困っている他県の商店街から連絡が来たこともある」
ー行政に求めることは。
「実務的な協力だけでなく、まちづくりのグランドデザインを共有し、民間の人々を導くことも重要。今回は市全体から見た新仲見世の位置付けを教えてもらい、公共的な価値がある場所だと再認識できた」
◇
日本酒と焼酎が好き。
(山下奈津美)
【静新令和3年4月16日(金)「この人」】
2021年04月15日
久保田紀之(くぼたのりゆき)さん(富士市)

ライオンズクラブ国際協会334-C地区
ガバナーとして年次大会を取り仕切る
久保田紀之(くぼたのりゆき)さん(富士市)
1987年に入会。富士中央ライオンズクラブ(LC)所属。2020年7月から県内76LCを束ねる。富士市で開かれる4月18日の年次大会、5月23日の複合地区年次大会を取り仕切る。不動産会社「平和ハウジング」会長。75歳。
ーこれまでの活動は。
「『ウイ・サーブ』の奉仕の精神に興味を持ち、地元で貢献したいと富士中央LCの発足メンバーになった。青少年健全育成活動でJ2の試合を主催してから、今でも中学生のサッカー大会を継続している」
ーLCの魅力は。
「世界を見る視点が持てる。東南アジア各国にもLCがあり、信用は大きい。今後は、各地にある複数のLCがまとまり、共同で地域に求められる事業を残していくことも大切だ」
ー年次大会への抱負は。
「2年ぶりの開催。新型コロナの中、感染症対策を徹底して成功させたい。地方創生がスローガン。地方移住をもり立てることが地元に根を張るLCの使命だ。地元チアダンスチームの余興もあるので地域の皆さんもご覧いただければ」
ー複合地区大会への意気込みは。
「334複合地区年次大会の開催は富士市で初めて。中部8県のLC役員に、富士山の麓にある富士や静岡の歴史的な背景や魅力を伝えたい」
◇
スパイ小説が好き。人知れず活動する姿が魅力。
(富士支局。青島英治)
【静新令和3年4月14日(水)「この人」】
タグ :この人
2020年07月08日
函南町議会の議長を務める 中野博さん(なかのひろし)(函南町)
函南町議会の議長を務める
中野博さん(なかのひろし)(函南町)

JA三島函南を退職後、函南町農業委員や町区長会長などを歴任。町議3期目となる昨年から議長を務め、5月の臨時会で再任された。69歳。
ー函南町の現状は。
「東駿河湾環状道路が数年前に開通し、道の駅の伊豆ゲートウェイ函南もオープンした。交流人口が増え、観光施設にも人の流れが生まれている。一方、商業の活性化は思ったほど進まず、中心市街地の発展は道半ばだ」
ー町の魅力は。
「丹那の酪農、平井のスイカ、平たん部のイチゴなど、多彩な農作物は町の強み。伊豆の玄関口で首都圏へのアクセスも良く、立地も恵まれている。これらをどう生かし、人口増につなげるか。若者が働けるような企業誘致が重要になる」
ー昨年の台風19号は甚大な被害を受けた。
「小学生のころに経験した狩野川台風並みと表現され、驚いた。各地で大きな被害がもたらされたが、町の対応は早かつたと思う。今回、人が死ななかつたのは過去の教訓が生かされたから。19号の経験もさらなる防災につなげたい」
ー議会の課題は。
「現在、議員16人のうち女性は1人。若い人には生活できる歳費を支給する必要がある。多くの人が関心を持つ議会の仕組みを考えなくてはならない」
◇
家庭菜園では年間40種類の農作物を育てている。(三島支局・金野真仁)
【静新令和2年7月8日(水)この人】

中野博さん(なかのひろし)(函南町)

JA三島函南を退職後、函南町農業委員や町区長会長などを歴任。町議3期目となる昨年から議長を務め、5月の臨時会で再任された。69歳。
ー函南町の現状は。
「東駿河湾環状道路が数年前に開通し、道の駅の伊豆ゲートウェイ函南もオープンした。交流人口が増え、観光施設にも人の流れが生まれている。一方、商業の活性化は思ったほど進まず、中心市街地の発展は道半ばだ」
ー町の魅力は。
「丹那の酪農、平井のスイカ、平たん部のイチゴなど、多彩な農作物は町の強み。伊豆の玄関口で首都圏へのアクセスも良く、立地も恵まれている。これらをどう生かし、人口増につなげるか。若者が働けるような企業誘致が重要になる」
ー昨年の台風19号は甚大な被害を受けた。
「小学生のころに経験した狩野川台風並みと表現され、驚いた。各地で大きな被害がもたらされたが、町の対応は早かつたと思う。今回、人が死ななかつたのは過去の教訓が生かされたから。19号の経験もさらなる防災につなげたい」
ー議会の課題は。
「現在、議員16人のうち女性は1人。若い人には生活できる歳費を支給する必要がある。多くの人が関心を持つ議会の仕組みを考えなくてはならない」
◇
家庭菜園では年間40種類の農作物を育てている。(三島支局・金野真仁)
【静新令和2年7月8日(水)この人】

タグ :この人
2020年07月07日
沼津郷土史研究談話会の会長を務める 匂坂信吾(さぎさかしんご)さん
沼津郷土史研究談話会の会長を務める
匂坂信吾(さぎさかしんご)さん (沼津市)

新型コロナウイルスの感染拡大による遠隔地へのレジャー自粛の流れを受け、従来の「沼津まちなか歴史MAP」を改訂し、「街歩き仕様」を作成した。市民らが旧跡を巡ることで、地元の良さを再認識してほしいと提案する。72歳。
ー提案の経緯は。
「過去に実施したまち歩きイベントが好評で、2年前に沼津城などの旧跡を紹介するマップを作成した。新型コロナで外出自粛が続き、このマップを改訂すれば、気軽なレジャーになるのではと考えた。『街歩き仕様』には散策順路や新たな研究成果を盛り込んだ」
ー新たな成果とは。
「西洋医学に基づく最先端施設として1869(明治2)年に開設された沼津病院は、ここ数年の研究で正確な立地が判明し、今回の順路に加えた。国内初の近代的小学校の代戯館(だいぎかん)など、街中には誇るべき旧跡が多い」
ー地元の歴史研究にどんな意義があるのか。
「まちの過去を掘り起こしていくと、先人の功績がしのばれ、自然と地元への愛着も育まれる。歴史を見つめることは、将来のまちづくりにも役立つと思う」
ー今後の抱負を。
「沼津は日本の近現代史に貢献した偉人たちのゆかりが深い。市制施行100周年の3年後を目標に、顕彰できればと考えている」
◇
元同市職員。市立病院事務局長などを歴任した。(東部総局・薮崎拓也)
【静新令和2年7月7日(火)この人】

匂坂信吾(さぎさかしんご)さん (沼津市)

新型コロナウイルスの感染拡大による遠隔地へのレジャー自粛の流れを受け、従来の「沼津まちなか歴史MAP」を改訂し、「街歩き仕様」を作成した。市民らが旧跡を巡ることで、地元の良さを再認識してほしいと提案する。72歳。
ー提案の経緯は。
「過去に実施したまち歩きイベントが好評で、2年前に沼津城などの旧跡を紹介するマップを作成した。新型コロナで外出自粛が続き、このマップを改訂すれば、気軽なレジャーになるのではと考えた。『街歩き仕様』には散策順路や新たな研究成果を盛り込んだ」
ー新たな成果とは。
「西洋医学に基づく最先端施設として1869(明治2)年に開設された沼津病院は、ここ数年の研究で正確な立地が判明し、今回の順路に加えた。国内初の近代的小学校の代戯館(だいぎかん)など、街中には誇るべき旧跡が多い」
ー地元の歴史研究にどんな意義があるのか。
「まちの過去を掘り起こしていくと、先人の功績がしのばれ、自然と地元への愛着も育まれる。歴史を見つめることは、将来のまちづくりにも役立つと思う」
ー今後の抱負を。
「沼津は日本の近現代史に貢献した偉人たちのゆかりが深い。市制施行100周年の3年後を目標に、顕彰できればと考えている」
◇
元同市職員。市立病院事務局長などを歴任した。(東部総局・薮崎拓也)
【静新令和2年7月7日(火)この人】

タグ :この人
2020年06月26日
赤井国彦(あかいくにひこ)さん
沼津仲見世商店街振興組合理事長に就任した
赤井国彦(あかいくにひこ)さん(沼津市)

沼津市の中心商店街のまとめ役として6月に就任した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で景気が急激に落ち込む厳しい情勢の中、地元商業の活性化に努める。67歳。
ー新型コロナによるダメージは。
「飲食店ばかりでなく、衣料品店なども含めて4、5月の売り上げが例年同期の半減以下になったケースもある。外出や渡航の自粛のあおりを受け、人気アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の舞台として商店街を訪れてくれていた国内外のファンも急減した」
ーどう立て直すか。
「新型コロナの影響はしばらく続くだろう。まずは第2波、第3波の感染拡大を防ぐため、毎月開催しているワゴンセールの『十五市』や『モコ市』は当面、外部出店を見合わせる。いま大切なのは、地元のお客さんを呼び戻すこと。住民が安心して買い物できる環境づくりを進めていく」
ー商店街の良さとは。
「多くの人は単にモノを買うために商店街を訪れるのではなく、店主との会話などを通してぬくもりを求めているのでは。大型商業施設とは異なる良さを一層磨き上げる必要がある」
ー活性化の方策は。
「特効薬のような方策はなく、組合員とともに知恵を絞るしかない。ここが踏ん張りどころと思う」
◇
本業は磁気マッサージ店の経営者。
(東部総局・薮崎拓也)
【静新令和2年6月26日(金)この人】
赤井国彦(あかいくにひこ)さん(沼津市)

沼津市の中心商店街のまとめ役として6月に就任した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で景気が急激に落ち込む厳しい情勢の中、地元商業の活性化に努める。67歳。
ー新型コロナによるダメージは。
「飲食店ばかりでなく、衣料品店なども含めて4、5月の売り上げが例年同期の半減以下になったケースもある。外出や渡航の自粛のあおりを受け、人気アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の舞台として商店街を訪れてくれていた国内外のファンも急減した」
ーどう立て直すか。
「新型コロナの影響はしばらく続くだろう。まずは第2波、第3波の感染拡大を防ぐため、毎月開催しているワゴンセールの『十五市』や『モコ市』は当面、外部出店を見合わせる。いま大切なのは、地元のお客さんを呼び戻すこと。住民が安心して買い物できる環境づくりを進めていく」
ー商店街の良さとは。
「多くの人は単にモノを買うために商店街を訪れるのではなく、店主との会話などを通してぬくもりを求めているのでは。大型商業施設とは異なる良さを一層磨き上げる必要がある」
ー活性化の方策は。
「特効薬のような方策はなく、組合員とともに知恵を絞るしかない。ここが踏ん張りどころと思う」
◇
本業は磁気マッサージ店の経営者。
(東部総局・薮崎拓也)
【静新令和2年6月26日(金)この人】
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