2013年09月19日

冨士 重夫 JA全国中央会専務理事

 キーマンに聞く
冨士 重夫 JA全国中央会専務理事
 (ふじ・しげお 沼津市出身。中果大卒。1977年に全国農業協同組合中央会に入会。農政部長、常務理事などを経て2009年から現職。60歳。)
ふじしげお
 各国団体と情報交換を
 ー日本が本格参加したブルネイの環太平洋連携協定(TPP)交渉会合に合わせ先月、現地入りした。
 「米国、カナダ、豪州の農業団体幹部と意見交換できた。米国砂糖連盟は例外なき関税撤廃に反対し、カナダ酪農者連盟は供給管理品目の自由化除外をカナダ
政府と約束していることなどが分かった。輸出国の農業団体は、自国政府にさまざまな要求をしている。彼らが何を考えているのか知ることは重要だ」
 ー政府からの交渉状況に関する説明は。
 「保秘義務があり具体的な交渉状況は明らかにされなかった。しかし、毎日交渉が行われている中で、言える範囲内でリアルタイムな情報収集はできて有益だった。政府は鉱工業製品や知的財産権など攻めるべきは攻め、農業など守るべきものは守ると言っている。今の段階では(攻めと守りの)両方をきちんとやっていると理解している。ただ、業界団体別にもっときめ細かく情報提供を行うべき。農業、漁業、経済界など業界団体ごとに情報提供が必要だ」
 ー懸念はないか。
 「交渉参加に当たって自民党、国会で(聖域5品目を守るなど)決議してもらった。TPPは(例外なき関税撤廃を前提とする)異質な通商交渉。決議を実現できれば、日本が今まで締結してきた経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)と同じレベルになると考える」
 ー年内とされる交渉妥結の見通しをどうみるか。
 「アジア太平洋経済協力会議(APEC)を一つの基準として、年内合意に向けて加速化しているのは間違いない。だが、日本以外にもカナダやメキシコなど、途中から参加した国があり、数カ月で合意形成を含めてできるのか。(関税を取り扱う)市場アクセスでの各国の重要品目や取り扱い、知的財産権の分野で各国の間に溝がある。越年する可能性もある」
 ーJA全中として今後の運動展開は。
 「海外の農業団体との情報交換は大事だ。米国、カナダ、オセアニア、アジア班の四つに分かれ、各国農業団体と情報交換していく方針でいる。9月はカナダ、米国の農業団体と意見交換したい。大学教授や弁護士などにも、TPP参加を懸念する人たちが続々と出てきている。シンポジウム開催を検討する。APECを前に、運動を盛り上げていく」
 ※ 農産品の「聖域5品目」コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、サトウキビなど甘味資源作物。自民党が昨年末の衆院選で掲げた公約「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、TPP交渉参加に反対」を踏まえ、農業団体が5品目を関税撤廃対象から除外するよう主張。農畜産業が盛んな米国やニュージーランドなどは、市場開放を求めて交渉は難航しているもよう。日本政府は本交渉とは別に2国間協議を通して、5品目の例外扱いを目指している。
《静新平成25年9月19日(木)迫るTPP》
  

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2013年09月18日

 深瀬智明さん(ふかせちあき)(函南町)

第64代沼津税務署長に就任した
 深瀬智明さん(ふかせちあき)(函南町)
fukase
 1972年の名古屋国税局を振り出しに、熱海税務署副署長、桑名税務署長などを歴任。7月から現職。函南町出身。59歳。
 ー4回目の沼津勤務。署長としての抱負は。
 「沼津は東部地区5税務署の中心署として、他地域のけん引役。適正公平な税務行政の推進に努め、納税者サービス向上や事務効率化を図り、信頼に応える運営を推進する」
 ー税務行政上の課題と重点推進項目は。
 「消費税増税や社会保障・税番号制度の導入など環境が大きく変化する。納税者から信頼を得られる親切で丁寧な税務行政の推進に尽力したい。インターネットを使ったイータックスの普及や定着も進めていく」
 ーこれまでの業務で印象的なことは。
 「広報業務に携わっていた時に小中学校などで租税の意義や役割の話をすると、子どもから質問があり、その感性や創造力の素晴らしさに感動した。正しい税知識の普及は重要で、租税教育にも力を入れたい」
 ◇
「土いじりは無心になれる」。先輩に勧められて始めた家庭菜園で約20種類の野菜を育てる。
《静新平成25年9月18日(水)「この人」》
  
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2013年09月15日

森田泰弘(もりたやすひろ)さん

新型ロケット「イプシロン」開発チームを率いたJAXA教授
 森田泰弘(もりたやすひろ)さん
morita
 「飛んだ」。思わず心の中で叫んだ。「自分と一心同体」と表現する新型ロケットが宇宙に向けて旅立つ瞬間を、約3㌔。離れた管制センターからパソコンを使った「モバイル管制」の画面で見守った。
 半世紀前のペンシルロケットからの伝統に最新鋭のシステムを追加し、未来の打ち上げ方式を世界に示した。「ロケットの世界に革命を」が口癖。講演会や記者会見では、専門用語を使わず平易な言葉でにこやかに語り、聞き手を引きつける。先輩研究者は「性格が明るく説明がうまい」と評価する。
 8月は「絶対に成功間違いない」と自信を見せていた打ち上げが直前に中止。「緊張が頂点に達した瞬間の中止。その後はつらい毎日だった」と打ち明ける。だが「未来を開くための生みの苦しみだ」と乗り越えた。 子どものころ、テレビ番組「サンダーバード」を見てロケットに憧れる。大学院生のとき、ハレー彗星(すいせい)に迫った探査機打ち上げを手伝い、先代のM5ロケットでは宇宙科学研究所助手として姿勢制御プログラムを開発。2003年からはM5計画の責任者を務めた。
 ところが06年、M5はコスト高を理由に廃止。悔しさを味わうが、すぐに「新しいロケットを造るチャンス。M5をいったん忘れ、挑戦しよう」と気持ちを切り替えた。今後は、さらにコストを下げるのが課題。「日本中を熱狂させた探査機『はやぶさ』のような成果をぽんぽん出したい」。東京生まれだが、熱烈な阪神ファン。55歳。
《静新平成25年9月15日(日)「時の人」》
  

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2013年09月11日

大嶽正泰さん(おおたけしょうたい)(沼津市)

100回目を数えた「じぞう寄席」を開いている三明寺の住職
 大嶽正泰さん(おおたけしょうたい)(沼津市)
じぞう寄席
 沼津市大岡の三明寺は2002年、500年以上の歴史を持つ同市本郷町の光明院を移転した寺院で、寺名も改めた。じぞう寄席が始まったのは1989年。当初から寄席を運営する組織の役員として名を連ねる。旧富士川町出身。67歳。
ー寄席を始めた理由は。
「寺から笑いを届けたいという思いから同志が集まり企画した。光明院の本尊で、沼津市の有形文化財の酒糟地蔵尊から『じぞう寄席』と命名した」
 ー24年間の思い出は。
 「45回ごろまでは真打ちになる前の二つ目を中心に呼んでいた。若い人に落語をする場を提供しようという気持ちからだった。今では真打ちになりテレビ番組などで活躍している姿を見ると、自分のことのようにうれしくなる」
 ーこれからの活動は。
 「寺の本堂のように狭い空間でやる落語は、話し手と観客の一体感が楽しめる本来の落語の姿だと思う。春夏秋冬年4回の寄席を毎回楽しみにしてる地域住民、落語ファンのためにも末永く続けていきたい」

 カンボジアで小学校設立や教材提供などのボランティア活動も行う。
《静新平成25年9月11日(水)「この人」》
  

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2013年09月11日

後藤信昭(ごとう のぶあき)氏(63)

沼津市立病院長
 後藤信昭(ごとう のぶあき)氏(63)
 救急医療体制を強化
後藤信昭
 ー地域の中核病院としての役割をどう捉えているのか。
 「急性期医療を担う中核病院として、救急医療と専門診療を柱にした医療に取り組
んでいる。中でも3次救急救命センターとしての役割は大きい。4月には心臓血管外科を新設し、さらに充実した急性期病院を目指している。心臓血管外科の緊急手術に対応するには専門の麻酔医の確保や手術に対応できる看護師の育成などが必要になる。慌てずに数年かけて体制を整える」
 ー救急医療の現状と課題は。
 「救急の堅持は重要な役目。市立病院の規模では専門医も救急に携わらなければならない。現在は首都圏から非常勤医師を確保して維持している状態。県東部地区は実際に救急を支える医師が不足している。地域全体で救急に関わる医師を増やして、救急に対応する力を充実したいと考えている。安心して子どもを産める周産期医療の充実も大きな使命だ」
 ーどのような病院を目指すのか。
「職員全員が病院を支える気概を持ち、市立病院で働くことに誇りを持てる職場にする。そのためにはコミュニケーションが大事だろう。職員間や患者との意思疎通を図っていく。それが病院の魅力向上にもつながる。安定経営の下で良質な医療を提供するための改革プランも経常収支比率のた期黒黒字化を早期に達成したい。高齢化の進展に伴い、お年寄り特有の疾病に対応できるよう医師の充実も進めたい」
 【沼津市立病院】1928年に設立した県東部の中核病院。医師定数は88、一般病床数は500。駿東田方保健医療圏で公立唯一の急性期病院として、救命救急センターや地域医療支援病院、地域周産期母子医療センター、がん診療連携拠点などを担う。臨床研修病院として若手育成にも取り組む。沼津市東椎路550。
《静新平成25年9月11日(水)「熱き地域人」》
  

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2013年09月08日

沼津の大川大和君 4歳9ヶ月「けん玉」初段

 沼津の大川大和君
 世界最年少で合格
4歳9ヶ月「けん玉」初段
ookawa
 沼津市の沼津けん玉クラブに所属する大川大和君(4)日同市江原町目が7日、市内で行われた段位検定試験で、見事初段に合格した。日本けん玉協会県支部によると、世界最年少記録という。大和君は「これからもっと練習して3段を目指したい」と喜びを語った。
 父親で現役最高段位となる6段保持者の英一郎さん(36)によると、大和君がけん玉を始めたのは英一郎さんの影響もあって3歳になる前から。2011年10月に10級に合格したのを皮切りにメキメキと腕を上げた。
 初段は審査員3人の立ち会いの下、玉を三つの皿に乗せてから最後に剣に刺す「世界一周」、玉に剣を乗せる「灯台」など11種類の技に挑み、一定の基準を満たせば得られる。
 同支部によると、これまでの最年少記録は福島県内の少女の5歳9カ月16日。大和君は4歳9カ月12日で大幅に更新した。
 大和君は「緊張したけれど、練習通りできた」と笑顔を見せた。英一郎さんは「初段の壁は高い。よく頑張ったと思う。お祝いしてあげたい」と喜んだ。
《静新平成25年9月8日(日)朝刊》
  

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2013年09月06日

杉山富士子さん(すぎやまふじこ)(沼津市)

沼津商工会議所女性会長に就任した
杉山富士子さん(すぎやまふじこ)(沼津市)
sugiyama
 沼津商議所女性会で広報に携わり、副会長を務めた後、5月に会長に。段ボール製造を手掛けるヌマセンの経理担当取締役。68歳。
 ー会長就任の抱負は。
 「会員は皆、会社の経営に携わる人たち。経営感覚を持ってお互いが同じ目線で楽しむ"交遊"を深める場にしたい。重責を感じるが、生まれ育った沼津のために少しでも貢献したい」
 ー女性会創立20周年記念に向けた意気込みは。
 「ことしは沼津市制90周年でもある節目の年。福島県視察や記念誌発行、記念植樹のほか、来春には記念式典を開く。人や地域とのつながりを深め、次世代につなげる意識を高めたい」
 ー地域活性化には何が必要と考えているのか。
 「元気な地域にするためには商業一辺倒ではいけない。教育や自然環境といった部分のレベルを上げることこそ大事だろう。沼津駅高架も推進し、住みやすい地域にするべきと感じる。地域に拠点を置く企業と行政が連携する必要もある。その橋渡し役を女性会が担えればいいと思っている」
 ◇
 万葉集の言葉や心と西洋音楽を融合させた新分野の音楽にひかれている。
《静新平成25年9月6日(金)「この人」》
  

Posted by パイプ親父 at 04:38Comments(0)人物紹介