2008年02月07日

江川滉二さん(東大名誉教授)

江川滉二さん
江戸時代の代官屋敷そのままの江川家住宅(伊豆の国市韮山韮山、国指定重要文化財)。新しい年は具足開きで始まった。
正月、甲冑(かつちゆう)(現在は書院)に供えた鏡餅(もち)を下げて割り、汁粉にして郎党らに振る舞う。代官の家の年中行事は今も生きている。





一月十四日。築四百年の主屋(しゅおく)。釘を使わない小屋組みの高い天井が見事な土間でかまどの一つに湯を沸かす火が入る。上がり口に紅白の鏡餅を置き斧(おの)で割る。真っ先に四十一代当主の江川滉二さん(七〇)=東京在住、東京大名誉教授=。餅は円形で厚い。何人もの斧を必要とした。
「かつては大和(奈良県)から伊豆韮山への移住に同行した金谷十三人衆だけ。十数年前から区全体(六十七戸)に参加を呼び掛けている」と金谷区長の大原幹雄さん(六〇)。金谷地区にある江川家の菩提寺本立寺でのお会式や邸内の井戸がえ(清掃)など「切っても切れない」(大原さん)関係が続く。

▽江川家 大和国(奈良県)から韮山に移住。鎌倉幕府や後北条に仕え、宇野姓を江川に。江戸時代は世襲代官に任じられ駿河、伊豆、相模、武蔵、甲斐の天領を治める。現存の江川邸は10棟余からなり主屋は1600年前後の再建。明治初期には韮山県庁。戦後解体修理を行った。NHK大河ドラマ「篤姫」では今和泉島津家の撮影地。韮山駅から蛭ケ小島、韮山城跡、江川邸、反射炉を巡り、伊豆長岡駅まで坦庵思索の路がある。坦庵は兵糧パンを焼きパン祖とされる。2月2、3日はパン祖のパン祭(伊豆の国市)。問い合わせは伊豆の国観光協会〈電055(948)0304〉へ。
(静新平成20年1月28日「古道をいく」)
  

Posted by パイプ親父 at 12:58Comments(0)人物