2011年07月19日

ニコラ・フォルミケッティさん

 世界的服飾家 ニコラ・フォルミケッティさん
 ルーツは沼津 母の古里で幼少期

 沼津市に生まれ育ち、世界の最前線で創作に励む男性がいる。ニコラ・フォルミケッティさん(34)。2009年からファッション・ディレクターとして米国の歌手レディー・ガガの華やかな舞台を支える。昨年はブリティッシュ・ファッション・アワードでイザベラ・ブロウ賞に輝き、トップクリエーターの称号を得た。ファッションの高みを追求するニコラさんは、同時に「いつになっても僕のホームタウンは沼津」と、故郷を気遣っている。
 ユニクロのファッション・ディレクター、雑誌「ヴォーグ・オム・ジャパン」のクリエイティブ・ディレクターを務め、プラダ、アディダス、リーバイスなどのコンサルタントにも当たるニコラさんは、1977年、イタリア人の父と日本人の母の間に生まれた。沼津第五小を卒業後、中学生活をロンドン、高校生活をローマで送った。
 ファッションの道を志したのは北ロンドン大在学中。専攻は建築だったが、ロンドン市内の著名セレクトショップで修業の機会を得たのをきっかけに、アパレルの世界に飛び込んだ。
 ニコラさんの服飾の原点は沼津市にある。同市出身の母は長年、イタリア製品をメーンにしたブティックを経営する。「幼い時から身近に洋服があり、それを扱う母のセンスに憧れていた。ファッションのルーツは母」と語る。
 現在は自宅があるニューヨークと欧州を飛び回る多忙な日々。毎月1回、ユニクロの打ち合わせやヴォーグの撮影で来日する際は、可能な限り沼津に寄る。わずかな時間でも、両親、弟との会話を大切にする。
 「残念ながら、以前より街に活気がない」。ニコラさんは今の沼津をこうみる。だが、嘆くだけではない。
 「山、海、川と街が接している沼津のような都市は世界でも希少。ローマやロンドンが素晴らしいのは歴史、風土を大切にしているからであり、沼津もこの環境と伝統を大切にしながら新たな挑戦をすれば、魅力を増やせるはず」
 トップクリエーターは12歳までを過ごした街の潜在力を信じている。
【静新平成23年7月19日(火)夕刊】
  

Posted by パイプ親父 at 16:02Comments(0)人物紹介