2018年07月06日

第2回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞を受けた森功(もりいさお)さん

森功氏
悪だくみ


第2回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞を受けた
森功(もりいさお)さん
 前身の大宅壮一ノンフィクション賞時代も含め、過去何度も候補に挙がりながら、受賞を逃してきた。「何かが足りないと思ってきたし、そう言い聞かせてきた。だから、大きな自信になりました」と笑顔を見せた。
新聞記者、雑誌編集者を経て2003年、フリーのノンフィクション作家に。闇のフィクサー、アングラマネー、政官業の癒着と、これまで社会の暗部に迫る話題作を数多く物してきた。
 受賞作「悪だくみ」では、安倍晋三首相が「腹心の友」と呼ぶ加計孝太郎氏の経営する学校法人「加計学園」獣医学部の新設に絡む便宜供与疑惑に迫った。
 「幹部官僚が国会で、平然とうそをつく。それは日本の危機だと私は思う。いつかちこんな国になったのか。恐ろしいほどの無関心が、安倍体制を支えてしまつている」
 現在、月刊「文芸春秋」で連載しているのは受賞作の続編といえる作品で、「官邸官僚」をテーマに選んだ。あちこちでひずみを生んでいる「安倍1強」体制を最も象徴していると思われるからだ。
 主な活動の場としている月刊誌や週刊誌などの雑誌ジャーナリズムが、出版不況でどんどん元気をなくしている。ノンフィクションは取材費がかさむため、特にフリーの書き手へのしわ寄せは大きい。
 「苦しいが、頑張るしかない。ここで賞をいただいたのは、もっと手に取ってもらえるような作品を書け、という叱咤(しった)激励だと肝に銘じます」。福岡県出身。56歳。
【静新平成30年7月6日(金)「時の人」】

時の人記事

  

Posted by パイプ親父 at 04:35Comments(0)受賞