パイプオヤジ

　瑞宝単光章(社会福祉功労)
　奈良橋福子さん　(民生・児童委員、沼津市)
　相手との信頼構築重要


　40歳から委員を務めてきました。生まれ育った香貫が大好きなので、地元の皆さんのための活動に長年携われたことを、心からうれしく思います。プライバシーや個人情報保護の意識の高まりで、民生委員活動も岐路に立たされています。でも、最終的には相手との信頼関係が大切ということに変わりはありません。支えていただいた多くの皆さんと、「やってみなよ」と背中を押してくれた主人に感謝しています。
（静新平成22年4月29日「春の褒章」）
  

　黄綬業務精励　(美容師・卓越技能)
内藤久美子（ないとうくみこ）さん


　顧客に合う髪型創造
　美容師として39年。技術と接客を両輪にして、業界の第一線を走り続けてきた。「1人ではいただけない評価。多くの協力を得て、少しは人の役に立てたかしら」と控えめに語る。
　世界中のコンテストに出場し優勝も手にした。流行発信地の欧米で挑戦したからこそ、あらためて日本人の黒髪の美しさや表現の繊細さを実感した。日本画を見て伝統文化を学び、映画や雑誌からは最先端の流行を知るー。婚礼用に開発した前髪のヘアピースは、そんな追究心から生まれ、今や日常のファッションとして定着しつつある。
　「美容は癒やし」がモットー。対話を第一に、骨格や髪質を見て、客に合った髪型をつくり出す。「喜ぶ顔は、美容師としての財産になる」と若手の指導にも情熱を注いでいる。
（静新平成22年4月28日「春の褒章」）
  

　ベンチプレス世界初V
　沼津プロレス人気レスラー　伊東さん他選手圧倒








































　沼津市職員で沼津プロレスの人気レスラーとして活躍する伊東永悟さん(41)＝同市大塚、F・Tジム所属"がこのほど、米国フロリダ州で開かれたベンチプレス世界大会
の40歳代100㌔級に優勝した。自身初となる世界大会を制した上、体重とバーベルの重量差を数値化した「フォーミュラ係数」も全階級の選手中最高値をたたき出してベストリフター賞を受けた。伊東さんは「階級を超えて最強の力自慢になれた」と、二つの"金"に声を弾ませた。
　記録は280㌔で、2位の237・5㌔を大きく引き離した。父幹介さん、母ともえさんが見守る中、初回から他の選手を圧倒する重量を成功させた。最終回で予選1位の選手が282㌔を失敗して優勝が確定したため、最終回は練習で何度か成功した300㌔に挑んだ。結果は失敗に終わったが「300㌔は全選手にとって最大の壁で、あこがれ。国に関係なく拍手を送ってくれた観客に感動した」と振り返る。
　伊東さんは昨年2月、15年ぶりに競技を再開。記録は絶好調に伸び続け、同年9月のマスターズで優勝。並行して挑んだ全日本選手権は年齢の区分けがないながら、日本新で優勝を果たした。目標は5月の世界選手権と8月のアジア大会を制覇し、5冠を達成することだという。「出発前の調整時期から米を用意する工夫まで、初の世界大会で学んだことを生かしたい」と笑った。
（静新平成22年4月15日(木)朝刊）
  

　静岡中央銀行社長
　奥田一氏（おくだはじめ）(68)
　積極融資で活性化支援

　ー県東部の経済環境についてどうみますか。
　「特に厳しいのは小売り、卸売りだろう。ただこれはデフレの中、全国どこも悪い。取引先の地場スーパーなどには『安売り競争に巻き込まれないように』と注意している。スケールメリットとシステムを駆使して競争している大手と同じようにやって勝てるわけがない。デフレの時代だからこそ、品質の良いものを置くべきだ。この時期、決算は赤字でも、粗利益、キャッシュフローが確保できる商売をするよう指導している」
　ー金融機関として東部をどう支援しますか。
　「東部は医療施設や老人介護施設が多い。積極的に設備資金を融資している。老人介護施設については、入所者の金融取引のお手伝いにも先進的に取り組んでいる。こうした施設では自分で手続きすることが難しい高齢者が多い。将来相続が発生する可能性もある。銀行が取引の間にしっかり入れば、これらの問題発生の予防となる。当行には旧都銀出身の専門家がいて、高齢者取引に関するセミナーも各支店で開いている」
　ー東部のコンベンション機能促進に向け、助言を聞かせて下さい。
　「沼津駅北口に計画されているコンベンションセンターは、活性化に向け使いやすい施設になるよう期待している。だがそれより前に、沼津を魅力ある街にしなければならない。駅の南北が別々になっている街に、だれが行きたいと思うか。鉄道高架をはじめインフラ整備を急ぐべきだ」
　【静岡中央銀行】大正15年(1926年)創業。店舗は県東部を中心に出張所を含め県内27、神奈川、東京に15。従業員531人。預金残高は4663億円、貸出金4119億円(いずれも昨年9月末現在)。本店は沼津市大手町4丁目
（静新平成22年4月14日「熱き地域人」）
  

井上ひさしさん死去＝作家・劇作家、「吉里吉里人」など

　「吉里吉里人」など奇抜な設定と軽妙なタッチの小説や戯曲、エッセーで知られ、護憲運動にも力を注いだ作家・劇作家で文化功労者の井上ひさし（本名廈＝ひさし）さんが９日午後１０時２２分、肺がんのため神奈川県鎌倉市の自宅で死去した。７５歳だった。山形県川西町出身。葬儀は近親者で行う。
　５歳で父親と死別、児童養護施設に預けられ、カトリックの洗礼を受けた。上智大フランス語科在学中から東京・浅草のストリップ劇場で喜劇の台本を書き始め、卒業後は放送作家に。１９６４年からＮＨＫ人形劇「ひょっこりひょうたん島」の台本を共同で手掛けた。７２年、江戸戯作者群像を描いた「手鎖心中」で直木賞、同年「道元の冒険」で岸田国士戯曲賞。８１年、東北の寒村が日本から独立宣言する「吉里吉里人」で日本ＳＦ大賞。
　８４年に劇団「こまつ座」を旗揚げし、「頭痛肩こり樋口一葉」「闇に咲く花」「人間合格」などの戯曲を書き下ろして上演。広島で被爆した父と娘の心の交流を描いた戯曲「父と暮せば」は欧米など多数の国々でも上演され、高く評価された。
　２００４年には作家大江健三郎、哲学者梅原猛両氏らと平和憲法の堅持を訴える「九条の会」を設立するなど、平和、護憲運動でも知られた。日本ペンクラブ会長も務めた。０９年日本芸術院賞。　
　昨年１０月末ごろに体調不良を訴え、検査で肺がんと診断され、治療を受けていた。（2010/04/11-08:22）時事ドットコム
  

　商業施設プランニング「アルテリア」代表取締役
　羽田良美（はねだよしみ）さん
　時代先取り、商業空間提案

　百貨店やファッションビルなど大型商業施設の新店開発を企画設計から監理まで手掛ける。会社設立から35年。現在80人のスタッフを抱え、契約実績は国内外で240を超えた。沼津東高から現役で東京芸大に進み、油絵を専攻した。74歳。
　ー街の"顔"を創(つく)り出す仕事です。
　「商業施設には、地域に住む人々の生活のすべてがそろっています。その空間づくりを担うことは高い文化度と社会性が求められ、非常に奥深い。時代をつくり、リードするという醍醐味(だいごみ)もあります。昨年は静岡駅ビル『パルシェ』の食品売り場も手掛けました。都会的でありながら日常性を持ち合わせた、新しい市場がコンセプトです」
　ー近年はアジア進出にも積極的です。
　「売り上げは国内と海外でほぼ半々。中国や韓国、インドなどは日本の市場調査力、商品化力を欲している。われわれはそれぞれの民族性、文化性、感性を徹底的に調べ、個々に見合ったデザインを提供しています」
　ーご自身は、もともとは絵描きでした。
　「絵描きは、作品を気に入ってくれた画商に売るだけで、あくまで点と点でしかつながらない。もっと広範な、つまりパブリックな(公的な)世界を求めたとき、コマース(商業)があり、空間デザインがあったわけです」
　ー故郷への思い入れは強いと聞きました。
　「(東京の)両国に生まれましたが、疎開で沼津に移り、小学校から高校卒業までを過ごしました。だから故郷を聞かれれば沼津と答えますね。朝起きて富士山が見える環境は最高。一線を退いたら、あの地に戻りたい気持ちはあります」
（静新平成22年4月5日「インタビュー」とうきょう便）
  

　沼津東急ホテル総支配人
　道下和幸氏（みちしたかずゆき）(49)
　開港1周年へ連携強化

　ー県東部地域の観光振興のためにどんな取り組みをしていますか。
　「家族や友人同士のきずなが強い土地柄の沼津市のホテルとして、"地域密着"をモットーにしている。県外客を主とする宿泊だけでなく、地元住民を対象にした結婚式、宴会、展示会などに力を入れている。映画のロケ誘致や地元のイベントなどを積極的に行うことで、新しい交流が生まれ、県外からも呼び込むことができる」
　ー静岡空港開港の効果は。
　「県東部のファルマバレーに注目していた台湾や韓国、イランなどの外国人客が増えた。これまで少なかった九州からの宿泊客も多く、効果を実感している。観光業に携わる個々の事業者が空港に関連した新しいアイデアを出しているが、全体のまとまりは弱い。6月の開港1周年に向け、行政には、観光業や流通業が一丸となれるよう働きかけてほしい」
　ー東部地域の観光業を取り巻く環境をどう見ていますか。
　「富士山や海、温泉などの資源のほか、豊富な食物がある。首都圏から近く、伸びしろが期待される健康・医療分野の研究も進められ、県東部は一つ一つを見ると、魅力的な素材がたくさんある。単発のキャンペーンでなく総合的にpRできれば、経済効果は高くなるはず。訪れる人の多様性に合わせたサービスの向上を追求したい」
　【沼津東急ホテル】1997年開業。客室は136室で、宴会場やレストラン、チャペルを備える。利用客の8割以上をビジネス客が占める。従業員は100人。沼津而上土町。
（静新平成22年3月31日「熱き地域人」）
  

　渡辺教頭に魁光章
　特別支援学級教育に尽力　沼津・今沢中
　沼津市教育委員会は30日、模範となる教育実践に取り組んだとして同市立今沢中の渡辺真由美教頭(57)に魁光(かいこう)章を贈った。
　市役所で、勝呂弥生市教育委員長が渡辺教頭に表彰状を手渡した。工藤達朗市教育長は「ふさわしい人に贈ることができた。若手教諭を指導し、今後も沼津市の教育を支えてほしい」とたたえた。
　渡辺教頭は、特別支援学級の教育に尽力。教員の指導監督面では、個々の特性を見定め的確な助言を行ってきた。4月からは市立四中に赴任する。
　渡辺教頭は「学校と保護者が両輪となって子どもを教育することが大事。子どもたちの成長が励みになる」と話した。
（静新平成22年3月31日朝刊）